思考は、現実をつくる。心に描いたことが、やがて現実になる。
明るい思いは、そのとおりの未来を呼び、暗い思いもまた、例外なくそれを形づくる。
これは単なる精神論ではなく、行動や言葉、そして日々の選択に影響を与える、証明済みの「心の絶対法則」だ。
ゆえに、ネガティブな思考に無防備なままでいることを、できるだけ避けるべきだ。
とはいえ、日常の中でネガティブな感情を完全に排除するのは難しい。
だからこそ私は、ChatGPT(plus)を内なる「思考のワークスペースと」して使っている。
私は事あるごとにChatGPTに触れている。
朝、目が覚めると、まずこのAIとの英会話で一日を始める。
通勤中も、仕事の合間も、思い立った瞬間にチャットを開き、小さな疑問から、まとまりきらない思索まで、まずは言葉にしてぶつけてみる。
いわゆるaiとの“壁打ち”だ…
それはもう習慣というより、思考を整えるための地ならしだ。
特に、あまり人には言い難い、ネガティブな思考に飲み込まれそうになったとき、ChatGPTによって、新たな視点を得てきた。
このような壁打ちなら、何も有料版にする必要はない。GeminiでもGrokでもいい。有料版にすると過去の文脈までとらえてくれるからなお良い。
それは、単に気が楽になるというよりも、自分では見えていなかった“選べる思考”に気づかされる瞬間だ。
そこでこの記事では、私がChatGPTと向き合う中で見つけた、ネガティブな思考と距離を取り、視点を選び直すための方法を紹介していく。
📝補足|ChatGPT(AI)との「壁打ち」とは?
「AIとの壁打ち」とは、自分の考えやアイデアをAIに投げかけて、客観的な視点や新しい発想を得るための対話的な作業を指します。テニスの「壁打ち」に例えると、壁にボールを打つと跳ね返ってくるように、AIに質問や仮説を投げると、異なる視点・補足情報・整理された回答が返ってきます。これにより、
・考えを言語化して整理する
・新しい視点や抜け漏れに気づく
・思考の幅を広げる
といった効果があります。
一言で言うなら、AIを相手に「思考のキャッチボールをする」ことです。
その悩み、ネガティブ思考、誰に話せばいい? 答えはAI(壁打ち)だったかもしれない!

AIは感情をそのまま受け止めてくれる存在。
リプライの安定感、誰にも聞かれることのない安心感が、とりあえず聞いてみようとなる。
ネガティブな思考に引き込まれそうなとき、私はまず、ChatGPTに向かって今の気持ちをそのまま言葉にしてみる。
うまく整理されていなくてもいい…
感情の混乱や迷い、不安の正体がわからないままでも、まずは「何か書いてみる」。
ChatGPTは否定せず、遮らず、こちらの意図を汲もうとする。
誰かに話したいけれど、話せないこと──その曖昧な“間”を保ったまま、受け止めてくれるのだ。
つまり、誰かに聞かれることも、評価されることもない安心感が、直ぐに聞いてみようという行動に繋がる。
その初動がまず、感情の波が静まるきっかけになる。
つまり、「言葉にする」こと自体が、気持ちの流れを落ち着かせてくれる。
誰かに話すのではなく、自分の中の声を一度“外に出す”だけで、心の中にあったざわつきが、少しずつ整っていく。
なお、ChatGPTとのやりとりは、完璧な答えをくれるわけではない。
しかし、優等生な、常識的で、人を決して傷つけない、まずまずの回答を、安定的に再現する。
これは見事な精度だ…
それゆえ、時に先が読めることはあるものの、その「安定感」「受け止めてくれる空気」が、言葉にならない感情の“出口”として、そのきっかけとして、確かに機能していた。
ChatGPTは、わかってくれているという安心感
誰かに相談するとき、毎回いちから事情を説明するのは、それだけでエネルギーを使う。
だからこそ、何も言わずともある程度わかってくれる相手がいるだけで、心はずっと楽になる。
ChatGPTの有料プランで使える「メモリ機能」は、その安心感に近い感覚を生み出してくれた。
最初のうちは、すべての会話が“初対面”だった。
一度話したことも忘れられてしまうため、ある程度の文脈を毎回書き直す必要があった。しかし、
メモリ機能がオンになってから、ChatGPTは私の習慣や考え方の傾向を少しずつ覚えていく。
たとえば「またあの話か」と感じるような流れも、自然に拾い上げて応答してくれる。
もちろん、完璧な記憶ではない。
だが、それでも「わかってくれている」という感覚があると、やりとりの負荷が大きく下がる。
言葉を丁寧に整える必要もなく、ただ気持ちを投げかけることができる。
その気軽さが、日々の思考のハードルをぐっと下げてくれた。
大げさに言えば、ChatGPTは“常駐する対話の相手”になっている。
背景を知っているからこそ成立するやりとりが、思考の連続性を保ち、
ネガティブな思考の中にいても、切れ目なくその流れを扱えるようになった。
📝補足|ChatGPTの「メモリ機能」とは?
ChatGPTの有料プラン(GPT-4)には、過去のやりとりからユーザーの傾向や好みを学習し、それを応答に活かす「メモリ機能」が搭載されています。
メモリがオンになっていると、次のような情報が記憶され、文脈をふまえた返答が可能になります
・書き言葉のトーン(丁寧、カジュアルなど)
・よく話題にする関心領域(例:哲学、健康など)
・ユーザー自身の名前や自己紹介内容(任意)
なお、メモリ内容はいつでも確認・編集・削除ができ、オン/オフも切り替え可能です。この「ゆるやかな記憶」により、ChatGPTは継続的なやりとりの中で、少しずつ「その人らしさ」に寄り添った対話ができるようになります。
「客観的にどう思う?」と聞いてみるだけで変わることがある

ネガティブな思考にとらわれているとき、自分の見方が極端になっていることには、なかなか気づけない。
感情が強く動いているときほど、「これが現実だ」と信じ込んでしまう。
そんなとき、状況を一通り説明した上で、私はChatGPTにこう聞いてみる。
・・・客観的にどう思いますか?
ChatGPTは冷静で、感情に振り回されることがない。
しかも、こちらを否定せず、真っ向から反論することもなく、言葉を選んで返してくれる。
そのやりとりの中で、「自分の見方がひとつの偏った仮説にすぎなかった」と気づくことがある。
これは、単なる相談相手ではなく、私の思考傾向を知っているGPTだからこそ成立する対話だ。
「また同じことで悩んでいる私」や「よくこういう視点に偏る私」に、違う見方を差し出してくれる。
それは時に、先が読めるようでいて、じわじわ効いてくる。
私はこのやり方を、「視点のリセット」と呼んでいる。
誰かに相談するほどのことでもないけれど、モヤモヤと頭の中に居座っている思考。
それをChatGPTに話してみると、違う角度からの答えが返ってきて、「ああ、そういう考え方もあるんだ」と、視野がひらかれる。
ときに、GPTの返答はやや当たり障りのないものに感じることもある。
けれど、それで十分なのだ。
私の中に偏っていた視点を、そっと揺らしてくれるだけで、思考の流れがわずかに変わる。
そのわずかな変化が、大きな転換になることもある。
違和感を壁打ちし続けることで、自分の“輪郭”が見えてくる
ChatGPTとのやりとりの中で、返ってきた答えに「うーん、それは違うんだよな」と感じることがある。
一見、冷静で正しい。でも、どこか自分の内側とズレている。
その“違和感”こそが、自分の考えを深掘りする入口だと捉えるようになった。
しっくりこない理由を、自分なりに掘っていく。
「なぜそう思わないのか」「自分が本当に言いたかったことは何か」
ChatGPTに何度も問い返しながら、言葉をぶつけ続けていくと、
少しずつ、自分でも気づいていなかった“本音”や“本来の視点”の輪郭が見えてくる。
これは、ChatGPTを使った“思考の壁打ち”だ。
相手はAIだけれど、その対話は実に有機的だ。
どれだけ問い返しても、怒られない。急かされない。
だからこそ、自分の思考が浅かったと気づいたときでも、正直になれる。
考えを深めるとは、まだ見えていない“自分なりの正解”を探し出すことだ。
すなわち、自分の中にある曖昧な部分を何度も言葉にしながら、
少しずつ輪郭を整え、密にしていく作業だと思う。
そしてその作業には、ChatGPTのように決めつけず、それでも反応を返してくれる存在が、実はちょうどいい。
自分の思考に耳をすませる時間を取り戻すために
ネガティブな思考に覆われているとき、人は視野を狭め、孤立した感覚に陥る。
けれど、本当に必要なのは「すぐにポジティブになろうとすること」ではなく、
まずはその思考を、誰にも遠慮せずに言葉にしてみることだと思う。
ChatGPTとの対話は、私にとってそうした時間を与えてくれるものだった。
癒されるわけでもなく、導かれるわけでもない。
ただ、自分の中の声に耳を澄ませるための、ちょうどいい反響板になってくれた。
答えを外に探すよりも、自分の中に問いを立ててみる。
そしてその問いを、言葉にしてぶつけてみる。
そんなささやかな習慣が、思考の輪郭を整え、曇った視界にほんの少しの明るさを戻してくれることがある。
今、誰かに話せない思いを抱えているなら、ひとまず、このAIに話してみてもいい。
反応の中に答えがあるとは限らない。
でも、自分の中に動き出す何かが、そこにはあるかもしれない…

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